【書籍】英語で一流を育てる(感想など)

先日届いたこちらの本について、自分の中でこちらで整理させていただこうと思います。

廣津留 真理 (著)

258ページ

発売日: 2017/5/25

タイトルだけ見ても、気になりますよね!

どんな学習法なんだろう。もしかしたら英語教室の参考になるかも知れない。先生になる以上知識としてはいれておいた方が良いかも知れない。しかもAmazonでベストセラーマークがあったらさらに気になります。そしてぽちっと購入しました。

そして何を書いておられるかというと以下のノウハウ

・何歳からでも、英語がすぐに読めて聞けるようになる「超・読書法」

・小学校4年間分の「英単語」が、たった3ヶ月でマスターできる暗記法

・本物の英語力と本物の国語力が同時に身につく方法

・みるみる英作文が上達するライティング法

さらに、1分、5分、10分のすきま時間を使って手っ取り早く結果がでる方法だけを厳選されているそうです。

これは面白いと思える手法がいくつもありましたが、同時に疑問を感じる箇所もありました。

少しメモしたいと思います。

英作文の力をつける

絵カードと文字カードを活用。表に日本語、裏に英語で状況を説明された文章。

日本語音読→英語音読を3回して丸暗記。暗記出来たら英語文を見ないで日本語文から英語の回答を答える、というもの。筆者は英作文も「暗記が9割」と言っておられます。

母国語方式の英語をしたいと思っているので、うちの子どもたちには何とか日本語を介さずにしたいと思っています。来てくれている子どもたちにも何とか英語のみで英作文の練習をしていくのがベストだと思うので、日本語を介するこの方法は結局和訳してしまう回路を作ってしまうのではないかと思ってしまいました。

でも、筆者のクラスは週に1本英作文を書いて暗唱されているそうで、気が付いたら1年間で約50の英語エッセイを暗記されている計算になるそうです。これは力つきますね。

文法をやらない

一切文法を教えない。むしろ邪魔になる、と筆者は言われています。

英文をひたすら大量に暗記する手法のようです。そして音読。

私も基本的な事以外はそれでいいと思います。

ただ、覚えた後は単語を入れ替えたりして「使って」なんぼではないかと思います。どんどんアウトプットして自分のものに出来るようにさせる必要があるのではないかと思います。

和訳も不要

私もそう思います。でも、おや?と思ってしまいました。

さっき思いっきり日本語→英語っていうメソッドを書いておられたのでは……?

そしてのちに出てくる単語暗記なんてもう思いっきり和訳では?と思ってハテナ(・・?がたくさんとんじゃいました。

教えない、テストしない、復習しない

教えることはむしろマイナス。できなくても、間違えても、とにかく先へ。

達成感を覚え、自信をもつことが重視、と言われています。

ここは間違えを見つけたら、同じような構文を使って理解してもらえるように私は配慮しています。例えばThis is a my pen.と生徒が言ってしまった場合。本来aとmyが一緒に来ることはありません。で、aはつかないよ!と日本語で言うのは簡単かも知れないけど、私は正解の言葉を言うだけにとどめ、次の時にThis is a pen. It’s my pen.など二種類の言葉を使った練習を翌週までの一週間してもらうなどしてaとmyが同じ時にはこないというのを体感してもらいながら進めるようにしています。なので間違えても放っておくというスタイル、それでいいのかな?と少し疑問に思ってしまいました。

論理国語力をつける

筆者は日本語特有のあいまいな表現ではなく、世界に通用するプレゼンの仕方も同時に練習されているそうです。まず結論を言う、そして理由。

これはアメリカ時代エッセイを何個も何個も書いて来た経験上、そうだと思います。

エッセイでまず自分の意見を出す。そしてそう思うに至った理由として大きく3つ程あげそれについて述べ、そしてそういった理由から私はそう思う、のように結論を書いていました。

そして話す時だって、I thinkなのか、I don’t thinkなのか、まず自分の意見が初めに来ます。面白いなと思ったのが、「~だとは思わない」という表現は一般的でも「~でないと思う」という表現が一般的ではないこと。例えば「I think it’s hot. (暑いと思う。)」「I don’t think it’s hot.(暑いとは思わない。)」という表現はよく使うけど、「I think it’s not hot.(暑くないと思う。)」という表現が一般的ではないということ。日本語は「今日は暑い…こともないか。」とか最後の最後まで分からないし、英語のシンプルさが慣れると日本語を聞くのはかなり大変だと思ったことがありました。

1日たった5分のらくらく単語暗記法

この方法を提案するに際して、以下の極意を述べておられます。

極意1 音声に合わせて音読するーーーー口と耳で覚える

極意2 「英語→日本語」を交互に音読するーーーー体で覚える

極意3 書かずに「なぞり読み」するーーーー目で覚える

この音読通してリスニング力とスピーキング力を鍛えること、なぞり読みすることでフォニックスからのアプローチがなくてもどのスペルがどのように発音されているのか分かること。その極意は素晴らしいと思います。改めて音読の大切さやなぞり読みの大切さを考えさせられたのですが、私が引っかかるのは極意2の部分です。英語→日本語を交互に音読するという手法。しかも一英単語につき一日本語和訳。これです。ここがとってもひっかかってしまいました。

 教材としては、でる順 パス単を使っておられるようでした。

もしかしたら教室の方で使えるかも知れない、と購入してみました。

本は薄くて、音声もダウンロードすれば聞けるすぐれものになっています。

しかし音源も英語→日本語の収録のみでした。

次の項目に出てくる筆者が言われている言葉なのですが、まさに英語を英語のまま理解する、というのに相反するのではないかと思うのです。

f:id:akey39:20170616104930j:image

試しに1ページ目。

よりによって動詞から。

1英単語につき、1つの日本語というのが基本なので、

do する

like 好き

have 持っている

go 行く……

という風になっていきます。

私の経験から言わせていただくんですが、英単語ははっきり言ってイメージだと思うのです。I likeというのは好きと対訳ではないし、It sounds like fun!とかlikeは好き以外の意味を持った重要な単語として日々の生活の中でかなり使います。

ではstudyは勉強。ではlearnは?どうちがうの?get upとwake upってどう違うの?ってことが日本語一字では測りきれないと思うのです。

むしろ筆者が言っていた和訳はマイナスという部類に入る勉強法ではないかと思います。単語を覚えたいのであればもっと英語のみのアプローチが必要であるし、そうでなければ今後英語を実際に操る時にとても困ってしまうと思うのです。like=好きしか思い浮かばなければその後はかなり大変だと思います。それならばlikeの語源がどこから来ていてどんなイメージのもと派生していって好きという対訳になり、他にどんな意味が込められるようになったのか、一つひとつひも解く方が今はとっても面倒くさくても後々英語を操るのに便利だと思うのです。そんな私、1単語1イメージの辞書が欲しいのですが、そんな本、どなたかご存知ないですか?という状況です。

小学生でも大学入試レベルがスラスラ読める「超・音読法」

筆者は、

英語を身につけるために必要なのは、とにかくたくさんの英単語や英語の文章に触れること。

と述べておられます。そしてその手法として「文法無視、和訳しない、ざっくり読む」ことを述べておられます。私もそれには賛成です。筆者はそこに音読することによるメリットを以下のことを書いておられます。

音読するだけで一石四鳥!

「単語・読む・聞く・話す」の悩みがすべて解決。

1 暗記しやすくなる!

2 英語の音に慣れる!

3 「英語を英語のまま理解する」習慣が身につく!

これは大賛成です。音読、我が家でも英語教室でもどんどん取り入れていきたいと思いました。「シャドーイング」や「オーバーラッピング」の方法も書いてあるので、一度やってみたいと思います。

しかし本の内容を先に日本語で確認してから英語を音読していく手法についてはなんだか少し疑問です。それならば紙芝居を作って絵によるアプローチをするなどして英語オンリーで果たして出来ないものなのか、と私は思ってしまいます。まさに筆者がおっしゃっているように「あなたのお子さんは、親であるあなたが思っている数倍も賢い」という言葉がここでも合うのではないかと思ってしまいました。

間違いを指摘しない

これ、発音や間違えがあったとしても指摘しないこと。なかなかできてません。どうしてもsが抜けてたら「~s」とか言ってしまいます。それをすることできっと子どもたちのモチベーション、だだ下がりなんだろうな~。とにかく褒める!肝に銘じねば……、

親も勉強に参加する

これ、大切ですよね。

私も子どもたちと一緒に音読など、励みたいと思います。

本の中に、ハーバード生がつくったストーリーの音声データが聞けたり、筆者の娘さんが出演している英語の音楽がおまけとして収録されたWEBページの紹介もありました。

私の考え方とはまた違った手法もありましたが、それでも学ぶことはたくさんありました。

今日ご紹介した本はこちら。

コメント

タイトルとURLをコピーしました