ウラジーミル・シンの経歴、実績が凄い!東京五輪ボクシングの指導者にも抜擢。

世界の偉人

こんにちは、あきです。

今回は、 2016年のリオ五輪のボクシングで出場国最多の7個のメダルを獲得させた名ヘッドコーチであり、現在Tokyo2020(東京五輪)に向けて日本選手に指導をしておられるウズベキスタンの英雄、ウラジーミル・シンについて迫っていきたいと思います。

ウラジーミル・シンさんってどんな人?

ウラジーミル・シン(Vladimir Shin)

1954年生まれ

現在のロシア、チェチェン共和国生まれ。

家族は朝鮮系移民の子孫。

7歳の時にウズベキスタンに移住。

15歳でボクシングを始めたシンさんは25歳の時に旧ソビエトの代表に選ばれます。

選手時代は元ミドルチャンピオンであり、 220戦197勝と圧倒的な強さを誇ります。

30歳で引退後、祖国ウズベキスタンの専務理事兼強化委員長となり、多くのボクシングジムを作り、現在のウズベキスタンのボクシングを確立した方。

シドニー五輪で初の金メダルを育て、リオ五輪でも多くのメダルを輩出させました。

現在は東京五輪に向けて日本人選手への指導を行っておられます。

リオ五輪でのウラジーミル・シン氏

彼はコーチとして祖国ウズベキスタンにおいて2016年のリオデジャネイロオリンピック(リオ五輪)のボクシングで金メダル3個を含む合計7個のメダルを獲得。
ハサンボイ・ドゥスマトフ選手、シャホビディン・ゾイロフ選手、ファズリディン・ガイブナザロフ選手らの金メダルを初め、金メダル4つのうち何と3つがボクシングでの金メダルなのです。
こちらがリオ五輪でのウズベキスタンの成績になります。

リオ五輪で金メダルを獲得したハサンボイ・ ドゥスマトフ選手の映像、画像はこちらになります。

金メダルを獲得したハサイボイ・ドゥスマトフ選手は真ん中の水色の服を着た人物。
画像からは相手の選手と比べてもガタイがいい訳でも、背が高い訳でもありません。寧ろ選手の中では一番背が小さい方。
そんな選手が世界でナンバーワンを取る…一体どんな指導なのか、気になりますよね。

Tokyo 2020(東京五輪)のボクシング界

今年はオリンピックイヤー。しかも開催地は東京!

そんな盛り上がりを見せる中、現在シンさんが指導中のこのボクシング競技が、実は一時はオリンピックの開催さえ危ぶまれていたのをご存じですか?

何故存続が危ぶまれたかというと…

国際オリンピック委員会が、国際ボクシング連盟の運営面に問題があるとして、団体の除名とオリンピック競技からのボクシング競技の除外を検討していたそう。協議を重ねた結果、2019年5月に競技存続の方針が確認され、同年6月に正式決定となりました。よかった!

Tokyo2020(東京五輪)のボクシングは以前とは少し変わり、男子8階級(フライ級、フェザー級、ライト級、ウェルター級、ミドル級、ライトヘビー級、ヘビー級、スーパーヘビー級)、女子5階級(フライ級、フェザー級、ライト級、ウェルター級、ミドル級)が行われます。試合は3分×3ラウンド制。

今回からプロ選手も参加可能となったそうです。ただし、同時進行は不可で引退証明が必要。プロボクシングとアマチュアボクシングはルールやグローブも違い、プロでも勝ち抜くのは難しく、元世界主要4団体ミニマム級王者の高山勝成(36=名古屋産大)、3階級王者の井上尚弥(26=大橋)、4階級王者の井岡一翔(30=Reason大貴)も予選で敗退しているほど。

東京五輪のボクシングの日程は2020年7月25日~8月9日(メダル確定は8月4日~)国技館にて行われます。

日本代表は?

東京オリンピックへの出場権は、アジア・オセアニア予選(2020年3月、ヨルダン)か、世界最終予選(2020年5月、パリ)で出場枠を勝ち取った選手に与えられます。

オリンピック予選に出場する選手は各階級1人ずつで、男子は全階級で全日本選手権(11月)の優勝者に出場権が与えられた。女子は全日本選手権優勝選手か世界ボクシング選手権代表選手がオリンピック予選に出場。

【代表選手】

男子52kg級・田中亮明(中京高校教員)

男子57kg級・堤駿斗(東洋大学)

男子63kg級・成松大介(自衛隊体育学校)

男子69kg級・岡澤セオン(鹿児島県体育協会)

男子75kg級・森脇唯人(自衛隊体育学校)

男子81kg級・梅村錬(拓殖大学)

女子51kg級・並木月海(自衛隊体育学校)

女子57kg級・入江聖奈(日本体育大学)

女子60kg級・濱本紗也(日本大学)

女子69kg級・鬼頭茉衣(中京大大学院)

女子75kg級・津端ありさ(西埼玉中央病院)

(他、数名が参加)

そんな日本代表選手たちを指導するシンさんを、新体制になったアマチュアボクシング連盟の菊池浩吉 副会長は「影響力は、もの凄く大きい」と言われています。特に変わったのは影響力とマインドなんだとか。

トレーニングの面では、追い込み型で限界を超えるトレーニングから、繊細な調整、体の使い方など、これまでにない指導を行い、選手達もレベルアップしているそうです。またさすがロシアへの影響力は強く、日本人に合わせた練習などを融通させたりされているとのこと。凄い方です。

2020年1月28日、東洋大学スポーツ総合スポーツセンターで公開練習での様子

NHK番組「奇跡のレッスン」に出演

2020年2月6日放送のNHK番組「奇跡のレッスン」で香川県高松工芸高校のボクシング部に1週間、超名コーチ、ウラジーミル・シンさんが教える様子が前編、後編に分けて放送されます。

香川県高松工芸高校のボクシング部での指導の様子

高校生のボクシングは2分3ラウンド

香川県高松工芸高校のボクシング部はボクシングを高校生から始めた生徒が多数。中には国体に出た選手もいます。全国高等学校ボクシング選抜大会では4人の選手が出るものの、スタミナの面でも気持ちの面でも負けているとのことで3ラウンド目に負けてしまう姿が目立っていたんだそう。

一週間後には7年間で1度しか勝てなかった岡山県での試合が控えています。 特別レッスンでどんな成長が見せるのでしょう。楽しみですね。

コーチによる練習法とは?

シンさんは開口一番「無理強いしてやらせてはいけない」「ボクシングを愛することが何より大切」「自己実現のきっかけにして行くことが私の役目です」と言います。

男子17人、女子2人のボクシング部。

一日目は従来の練習を見るシンさん。彼は練習を見て心身ともに「圧倒的に負荷が足りない」と言います。やはりシンさんのトレーニングは「負荷」をかける追い込み型のようです。

とはいえ朝練は「ゆっくり走る」ことから。まずは身体を目覚めさせ、気持ちを起こしてあげます。朝は動きがよく染み込む時間帯なんだそうです。時間を意識した効率的な練習法ですね。

朝はグラウンドでの練習が始まります。

シンさんの動きに合わせて生徒たちは足を動かし、攻撃をし、防御をしていきます。

生徒たちは狭いリンクを仕切りながら場所を譲りながら練習していたけれど、グラウンドでやることで広く動くことが出来、「よく動く」練習が出来ます。練習はリングで、という発想を覆しています

一週間後岡山県での試合を控えており、時間がない中で、濃密な練習は続きます。

練習場では、軽量級と重量級の2班に分けて練習することで、より緊張感が生まれます。

二つに分けることで、緊張感が生まれ、スペースも確保できた
後半見学組のコメント

全ての練習は2分刻みで行われ、インターバルは1分。この2分というのが、試合と同じ時間。常に試合時間を意識させることが出来ます。2分の中でもプログラムが様々に組み替えられ、徐々にきつくなっていきます。「君たちの全てを見せてみろ」生徒たちは汗だくになりながらも果敢にサウンドバックにパンチを繰り広げます。

練習は激しいけれど、時間は約1時間。だらだらとはしません

練習前、激しく練習した直後、練習終わりに10秒間の脈拍を必ず図らせ、30回程の脈を15回程に落ち着くためにも負荷をかけた練習が必要なんだと言います。何となくではなくく、きちんと数値を見ながら自分を客観的に見る力を教えて行きます。

これはスタミナ付きそうです!

また「試合よりも少し負荷をかける練習」をすることで、本番への自信をつけていく「強いメンタル」を育てていきます。乗り越えるべきは相手ではなく「自分」。「君が一番だ!」「君がリングを支配するんだ!」とシンさんは言います。シンさんの顔は常に穏やかで、声も荒げることはありません。

また弱さにもメカニズムがあり、「恐怖」もまた大切な要素であると言います。思いこまず、冷静に打ち負かすこと。常に「分析」をしながらボクシングを「冷静に」「自分で考える力」をつけていくように方向づけるシンさん。

練習の最後は横たわり、リラックスの時間を必ず作るというシンさん。選手を笑わせるようなことを言うシンさん。

練習後の窓の様子から、生徒たちの熱気が伝わって来ます。

シンさんは選手への愛やボクシングへの愛が伝われば選手はボクシングが大好きになるんだというシンさん。ボクシングが大好きになれば、ボクシングに打ち込むようになる。ボクシングに打ち込むようになれば、結果はおのずと付いてくるだからボクシングを愛することが何より大切であると考えるシンさんの指導は日本人の当たり前を次々に覆していく練習法でした。

この続きはまた来週。次回は2020年2月13日22時放送です。

今年の東京オリンピックが楽しみですね!ボクシングの予選本選にいるシンさんを見つける楽しみも増えました♪

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